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チューバで聞く音楽の4世紀

こんにちは!

先日無事、チューバで聞く音楽の4世紀、くにたち市民芸術小ホールにて、14:00~と17:00~の二回公演、無事終演いたしました。

お越し下さったお客様、ホールスタッフの皆様、本当にありがとうございました。素晴らしい、温かみを感じるオーガナイズでした。

チューバ奏者の坂本光太さん、作曲家の久保田翠さん、いずれも今回初めてお会いして、というご縁でしたが、巡り会えた幸運に感謝、です。

また、家族の支えなしでは赤ちゃんを抱えてこの公演には臨めませんでした。

自分の出演した公演ですので、公演内容について書くと段々手前味噌になってしまいそうなのが怖い。

ということで以下は個人的な話を。振り返らせてください。

ドイツから京都へと移ってきて、諸事情で演奏の方は猛烈な活動はなかなかできず&そこまで意欲もなく、少しずつ気持ちも生活も軌道に乗ってきてリサイタルを開催したり、計画したり、としていたらコロナ禍〜妊娠出産〜と続いていき。

初めての育児で、ピアノどころではなかった状態の中で突然降ってきた案件でした。

育児を手伝える人間は近くにおりませんし、保育園にも入れてないので、子供が朝寝・昼寝している間に、家事を途中で放り出して速攻でピアノへ向かう、というスタイルでどうにか少しずつ練習をして、時には猫の鳴き声で子供が寝付いてから10分で起き出してしまうこともあり!笑

また、夜間に夜泣きがあったり授乳があったりする日は、眠いし疲れてるし、、

子供が寝てる時は一緒に寝たい!

子供が寝てる間に家事をするものなのに、その時間は練習しなければいけないから、家事が滞り結局夜遅くまで残りの家事をすることに。。

遅く寝ても子供が起きるのは変えることができず6:30!

土日に練習したり寝たいところだけど、レッスンだし。

毎日カツカツのスケジュールで動いていて、今だから言えることですが、相当しんどく感じる時もありました。

しかし、辛いことだけではなく、イライラしたり疲れたりしつつも少しずつ積んで行くことで、曲の輪郭が見えてきて、あ、少しずつでもできるんだ、と思ったり、ピアノを弾いている時間自体は以前よりも非現実空間に感じられて、楽しいと感じていました。

音楽に触れる時に、子供を産む前には感じなかったこと、わからなかったこと、思わなかったことなども含まれるようになり、

音楽をするとはなんだろう?なぜ自分はピアノを弾いているのか?ピアノとはいったい自分にとって何か?

ということの捉え方が変わったとも感じました。

実際、これは坂本さんとのリハーサルが始まった時から感じていて、また当日の録音を聴いても感じたことなのですが、私ってこういうピアノだったかな?と。

そして、今回は結構猛烈に坂本さんとリハーサルをしました。

音楽のことに夢中だった、という言葉が的確な準備期間だったように感じます。

ピアノ楽しいな、チューバ楽しいな、音楽楽しいな、やっぱりこれからはもっと音楽したいな、と感じさせてくれる公演でした!

コンサートのお知らせ

大変ご無沙汰しております!

出産から1年経ち、子供も元気に先日1歳のお誕生日を迎えることができました👏

コロナの猛威もおさまる事がなく、このような中での開催となりますが、感染防止策を徹底した上で行われますので、是非足を運んでいただければと思います。
果たして私のこの個人的なホームページを見て、足を運んでくださる方がいらっしゃるのかは、疑問ですが😂

チューバで聞く音楽の4世紀、と題しましてチューバ奏者の坂本光太さんのコンサートが2/26(日) 14:00〜 17:00〜 の二回公演で、東京の国立市にあります、くにたち市民芸術ホールで開催されます。

私は坂本さんのチューバと一緒に、共演します。

文字通り、4世紀に渡るプログラムで、

古典~ロマン派)1800年(18世紀)
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:ホルンソナタOp.17
(ロマン派)1853年(19世紀)
クララ・ヴァイーク=シューマン:3つのロマンス
(現代)1979年(20世紀)
ジェニファー・グラス:ソナティナ
(新作) 2021年 (21世紀)
久保田翠委嘱作品

となっています。

チューバでベートーヴェン!?

クララ・シューマン!?

と思う方もいらっしゃると思うのですが、これが😜

そもそもチューバというのは新しい楽器で、既存の曲が少ないため、なんでも吹きます!

私もチューバでバッハのフルートのレパートリーの伴奏をした事あります。

そして、チューバってどんな楽器だっけ!?

と思っているそこのあなた!!

チューバの魅力を知らないのですね。

可哀想!

でも私も実は以前はそんな感じで、

あー

チューバ。。。

大きい・重そう・低音

という程度の認識しか実はありませんでした😹

でも、この低音がどれだけオーケストラの中で大事な役割なのか、

そして実はソロ楽器としても魅力的な楽器でもあるのです。

チューバがソロの楽器として演奏されるようになったのは、オーケストラの中で使われるようになった時よりもずっと最近のことです。

しかしながら、チューバの魅力である低音、柔らかな低音〜フォルテになった時に身体の芯まで響くような爆音🔥

痺れます!

さぁ、チューバを聴きに行きましょう。

いや、ピアノの私も、今回のプログラムは本当にピアノが大事で、ピアノが色彩を決めていると言っても過言ではないので(それは言い過ぎか^^;)、

産後の体に鞭打って(😂??)、準備を頑張ってきました🔥

余談ですが、坂本さんはチューバ奏者として素晴らしいだけではなく、京都女子大学で教鞭もとっておられ、大変なインテリジェンスでもあります。

そして、京都女子大で行われるリハーサルの際には、方向音痴な私を道案内してくださるジェントルマンでもあります😄⭐️

だんだん聴きにきたくなってきたでしょう?😀⭐️

こちらから詳細と坂本さんご本人の解説も見る事ができます。

チケットについては、サイトから直接購入も可能ですし、お問い合わせ欄から私にご連絡くださればお取置きすることも可能です♫

ご来場をお待ちしております♪

ピアノが好きだから練習も苦じゃない!?

こんにちは!

さて、先日ピアノの練習について、ある時話をしていた時に

いやー大人でさえ練習って大変ですよ、怠いなぁサボりたいと思うこともたくさんあるので子供なんかはもっともっと大変なのは間違いないし、練習したくないのは当たり前のことですよ

と私がふともらした言葉に

えっでもピアノが大好きなのでは???

と聞かれて、どう説明すればいいのか困ったことがありました。

皆さんはカレーライス好きですか?カレーが苦手って人はあんまりいないと思いますが。

例えば、1年間365日、まぁじゃあたまの休みはあったとして330日くらい毎日毎日毎日カレー食べてたらどうでしょうか。

カレー食べるタイミングでお腹いっぱいの時もあります。眠いし疲れてる時もある。見たいテレビや他にやりたいこと、行きたい場所があるかもしれない。

でも毎日絶対家でカレー食べなきゃいけない。

え?カレー食べるの辛いの?カレー好きなんじゃないの・・・・?

😆

いやいや・・・

ってなりますよね。特に専門的にやればやるほど、ずっと向き合うのだから余計にそういう気持ちにもなると思います。

これはオリンピック選手とかでも絶対同じだと思います。

走るの好きだからって、毎日楽しく走ってるわけではない、むしろ走る楽しみよりも苦しい瞬間の方が何倍も多いことでしょう。しかし、その分少しでも身になった時の喜びは大きく、何にも代えがたいことでしょう。

練習が辛い < 上手になりたい

練習が辛い < 上手になった喜び

という感じなので、できてるんじゃないかなぁ。

あとは、身近なものに置き換えると、子育ては大変だけど子供の成長は何にも代えがたいもの、と言いますね。

泣いて喚いて、寝ない赤ちゃんを大きく育てるのは本当に大変でしょう。自分のことを後回しにして、すごいね、育児が好きなんだねって、

いや、違う^^;

ってなるんじゃないでしょうか。

育児の辛さ < 子供の成長の喜び

だから頑張れる、みたいな感じです。ピアノは自分の子供みたいなものです。

ブサイクでも(下手くそでも)なんでも、自分の子だから。

趣味ですると、楽しめるってのは、元は子供好きなので親戚の子をたまに預かるとこころ穏やかに可愛がってあげられる、みたいな感じです。

ピアノの練習って本当に地味だし孤独だし、新しい曲で複雑なものをするのは私でも辛いです。

新しく複雑な曲を譜読みするのは、読めない言語で書かれた本(まーアラビア語みたいな)を辞書を引きながら、少しずつ解読するような作業と思っていただけば良いです。1時間もすれば頭はすごく疲れます。

好き、だけで済まされない愛憎みたいなのがピアノにはある気がします。

たくさんの辛さ < ピアノ

ピアニストとゆとり教育?

こんにちは。

またまたブログの更新をサボってしまいました🙇‍♀️

月末に本番があり、コンサートではないのでご案内はできませんがそれに向けての練習とレッスンで相変わらずの日々です。その前は去年に引き続きドイツにも行っていました。昔住んでいた街はフランスにも近かったので、フランスにも行くことができました。ちなみに住んでいた街は相変わらず、地下鉄工事中で街の景観はしっちゃかめっちゃかでした^^;

まだまだ言葉も感覚も忘れてなくて、日本にいるのが現実なのか、ドイツにいるのが現実なのか、なんだかタイムスリップしたみたいで行くといつも不思議な感じなります。

さて、あるピアノの先生がおっしゃっていたことで、確かに、、と思ったことがあり

日本人はサッカーや野球、部活などのスポーツを頑張っていることはとても評価する。

でもピアノを一生懸命やってると、ピアニストでもさせる気なの?子供が可哀想、とかちょっと軽蔑した言い方をされることがある。汗を流すことだけが、頑張っていることではないのに、、と。

私が小さい頃も、子供ながらに覚えているのですがピアノ頑張ってるね〜と褒めてくれる大人もたくさんいましたが

母に向けて、そんなにやらせてどうする気?という意味合いのことを投げかけている人もたくさんいました。

学校の部活を頑張ってる子に、サッカー選手にでもなるの?そんなにやってどうするの、って聞く人いないですよね。笑

スポーツを頑張ることに比べてそういう疑問が多いのは学校でやってることじゃないから、ピアノってお金かかりそうだから、スポーツじゃないし協調性生まれないから、、などの理由でしょうか。

私はいわゆるゆとりと言われた教育世代でしたが、ピアノをやっていたおかげでそんなものとは無縁でした。

特に9歳から習い始めた音大の先生はとてもとても厳しく、頑張って練習したつもりでも、上手になっていなければ

一体どこを練習したの!?下手くそ!身が入ってない!言われたことは一回で直す、今すぐ直す。人の言うことは素直に聞く、頑固者は一生良くならない。

と大声で怒鳴られることは日常茶飯事。ピアノ以外の躾に関しても徹底的に教え込まれました。親の振る舞いや礼儀に関してもとても厳しく、ストレートに注意していました。

その結果、目上の人にはどう接するべきか、そして人に注意されるのも怒られるのにも打たれ強くなり、かなりの耐性がつきました。加えて、練習は孤独です。ステージに上がるのには誰にでも少なからず恐怖や強い緊張があります。自分より上手な人は上を見ればキリがなく、負けた気持ちになる悔しさも時にはあります。

お陰様で、ピアノ以外でピアノよりも厳しい、大変だ、乗り越えられない、と感じることは大概ないくらい気持ちが鍛えられました。

ピアノは本気でやれば、

・練習は自分との戦い、自己管理と計画。

・人の前で注目されてたった一人で演奏する度胸。知らない場所でいきなり弾く場慣れ

・自分より上手な人が大勢いる中で、自分だけの良さを信じるメンタルの強さ

・注意されてそれを素直に受け入れる、何か言われても凹むのではなくて自分の糧にしようとする気持ち

・長い練習やレッスンに耐える集中力

etc…

など多くのことが身につきます。なんでも一つのことを極めようと本気でするって将来どうこうではなく、大変な分得るものが大きいです。

ぜひ、ピアノを本気でやっている子がいたら褒めてあげてほしいものです♬

戦うな!

戦うな!

これはカールスルーエ時代の私の先生が

度々私に言っていたことです。

初めは言われている意味がわかりませんでした。音楽的なことでもなければ、音が汚いとかそういうことを言っているわけでもないみたいで、自分と、ピアノと戦うなって意味のようでした。

ですが先生は必ず、私がメンタル的に追い込まれた状態で苦しんだ末、「頑張って」弾いた本番の時にこれを言ってきました。

不思議なことに、他の誰にも戦ってる感は伝わってないのですが、私もよく弾けた、と思ってもなぜか先生にだけは伝わっていたみたいです。門下生のほぼ全員が言われていたようでみんなあんまり意味がわかってないみたいでした。笑

その意味は先生の演奏を生で聴いた時に納得しました。

静寂な心で、ただその一瞬を楽しむその音楽は心に暖かく自然と入ってくるものでした。

これもできます、あれもできます!自分に負けない!圧倒する!

とかではなく本当に自然なものでした。

まだまだこの境地には達するのには時間がかかりそうですが、もっともっと経験を積んでいつかそういう音楽がしたいなーと久しぶりに先生のことをゆっくりと思っていました^^

細かいことはあんまり言わない先生でしたが、大事なことを残してくれたんですね。